十四歳の春に 志を立てる
立志式とは・・・
日本で古くから行われていた『元服』にあたる儀式で、人生の通過儀礼として武士社会において行われていた式です。
数え年の14歳の立春の日を境に髪型や衣服もふさわしいものに替えて、社会から大人として認められる、人生の大きな節目になっていました。
幕末の福井藩士であり医師であった橋本左内の啓発録には下記の言葉があります。
- 去稚心(幼稚さからの脱却)
- 振起(気持ちを奮い立たせる)
- 立志(志を立てる)
- 勉学(勉強する)
- 択交友(いい友達を作る)
左内の14歳の自戒の言葉が、まさに元服にあってのものであり、この年齢で行われる立志式の意義をより鮮明にさせています。
戦後、『日本のアンデルセン』とも呼ばれた児童文学の先駆け的存在であり、日本児童文学協会の会長だった浜田広介氏(代表作品:泣いた赤おに りゅうの目のなみだ)の提唱で「14歳という心身の発達の節目と多感な年齢を踏まえて、自覚・立志・健康の3つの目標を掲げて実践しよう」と『立志式』が始まりました。
現在、日本の各地でも『立志式』が行われている中学校があります。中学2年生の生徒一人ひとりが『志』を立てて、人生の指針と強い意志を表して、前向きに自己の将来を設計しようとする力を培うための式です。3年生になると、自らの意思と責任においてよりよい選択ができるよう生徒の成長過程においては重要な行事として扱われています。
信松院では、長年この儀式の取り組みを考えてまいりました。
将来を見据えて、自ら考え、志を持つことは、14歳にとってどれほど大切なことか、今までの自分から一歩前進した自分を感じとることができる瞬間を『立志参り』という形で家族が共有できれば、心の財産になるにちがいありません。そのためにも毎年春と秋に執り行うことに致しました。
どうぞご家族お揃いでお参りください。
第一回 立志参り
2019年4月21日(日)13:00から行われました式のお写真を掲載いたします。
信松院住職の力の入った太鼓の観音供養より始まりました。
加者の方も大きな太鼓の「ドン!」で少し緊張はされたようでしたが、徐々に慣れ本堂では凛とした面持ちで座禅をされていました。
参加者のお声
「椅子の座禅体験は良かったです。心に決めた一文字漢字がなかなか浮かばなかったけど、見本を見て考えてた自分がよかったなーって思いました。楽しかったです。」
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